佐賀県は肝臓がん日本一

佐賀県は、肝臓がんで亡くなられる方の人口10万人あたりの率は、相変わらず日本一が続いています。この原因としてC型肝炎ウイルス陽性者が佐賀県では特に多いことはすでに明らかになっていますし、佐賀県の中でも、東部の鳥栖三養基地区、神埼地区が異常に多いこともわかっています。残念ながら、私達が住んでいるこの鳥栖三養基地区は、肝臓がんになる人の密度が日本一のところです。肝臓がんで亡くなる人の約70%は、C型肝炎ウイルスが陽性、15%B型肝炎ウイルスが陽性です。従って、肝臓がん撲滅のためには、肝炎ウイルス対策が必須です。

佐賀県では、日本中で最も早く住民検診では肝炎ウイルスが測定されています。その結果、佐賀県には、約3万人のC型肝炎ウイルス陽性者が存在することがわかりました。現在までに、1万5千人の肝炎ウイルス陽性者は明らかになりましたが、残りの半数の人達は不明です。何とか、明らかにするため、昨年から、佐賀県では職場検診でC型肝炎ウイルスを測定する場合は公的な補助が出ることになりました。

肝臓がんをなくすためには、肝炎ウイルス陽性者の自覚や病院への受診が大事なのは言うまでもありませんが、医療スタッフだけでなく、行政、保健師さんたちの協力も必要です。いろんな立場の人が協力していけば、佐賀県から肝臓がんがなくなるのもそう遠くない時期に達成できると確信しています。

(平成19年4月 )
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